USB対応の製品を見ていると、「USB3.1?」「Type-C?」など色々な種類が出てくることに気付くのではないでしょうか?
一言でUSBと言っても、規格のバージョンやコネクタの形状によって多くの種類が存在しています。
USBで機器を接続してデータのやり取りを行うためには、USB規格のバージョンやコネクタの形状を理解しておかないと、想定した転送速度が出なかったり接続自体ができなかったりすることもあります。
この記事では現在主流となっているUSBの規格とコネクタの種類について解説します。
規格の種類
USBの規格としては、現在「USB 2.0」と「USB 3.2」の2つが主流となっています。
データ転送速度はUSB 2.0で最大480Mbps、USB 3.2では最大20Gbpsになります。
これらの規格には過去のバージョンもあり、USB 2.0の前にはUSB 1.0とUSB 1.1が、USB 3.2の前にはUSB 3.0とUSB 3.1がありました。
USB 2.0とUSB 3.2では過去のバージョンの機能や性能を含んだ規格となっているため、イメージとしては次にような位置づけになっています。

USB 3.xにおいては色々なUSB製品の仕様を見るとUSB 3.0と書いてあったり、USB 3.1と書いてあるものもありますが、現在はすべてUSB 3.2に統一されています。
USB 3.0からの変更の経緯は次の通りです。

例えばUSB 3.0は
USB 3.0 → USB 3.1 Gen 1 → USB 3.2 Gen 1
と変更されてきました。
GenというのはGenerationの略で世代という意味です。
つまり、USB 3.0はUSB 3.1がリリースされたときは第1世代という位置づけになっており、USB 3.1で新たに策定された規格はUSB 3.1 Gen 2という名前で第2世代という位置づけになっています。
USB 3.1 Gen 2を単に「USB 3.1」と呼んでいることもあります。
このように新しい規格が策定されるたびに過去のバージョンの名前も変更されてきたので名前はコロコロ変わっていますが、中身は同じものを表しています。
USB 3.0 = USB 3.1 Gen 1 = USB 3.2 Gen 1
これが “過去のバージョンの機能や性能を含んだ規格” と書いた理由です。
USB 3.1(USB 3.1 Gen 2)についても同様に、USB 3.2がリリースされたときは第2世代(USB 3.2 Gen 2)という位置づけになっており、USB 3.2で新たに策定された規格はUSB 3.2 Gen 2×2という名前がつけられています。
USB 3.2 Gen 2×2を単に「USB 3.2」と呼んでいることもあります。
USB 3.2 Gen 2×2とはUSB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)の2倍のデータ転送を行えることを表しています。
ですので、データ転送速度はUSB 3.2 Gen 2で最大10Gbps、USB 3.2 Gen 2×2で最大20Gbpsとなります。
下位の規格に機能や性能が制約されてしまうことになりますが、USB 2.0とUSB 3.2には互換性があるため、それぞれの機器を接続しても使用することが可能です。
コネクタの種類
USBを使う上でさらに複雑さを増している要因がコネクタの種類の多さです。
次の仕様の組み合わせによってコネクタの種類が分けれています。
コネクタの形状の種類として「Standard」「Mini」「Micro」の3種類があります。
さらにUSBではホスト側とデバイス側のコネクタの形状を変えており、ホスト側に接続するコネクタを「A」、デバイス側に接続するコネクタを「B」としています。
ホストとはパソコンなどを指しており、デバイスはパソコンに接続するプリンタや周辺機器を指しています。
また「A」と「B」とは別に新しいコネクターの種類である「C」という種類も存在します。
「C」はホスト側とデバイス側で同じ形状のコネクタを使用することができるため、コネクタの違いを気にすることなく使用でき、今後ますます普及していくと考えられています。
「A」「B」「C」を、それぞれ「Type-A」「Type-B」「Type-C」と呼んでいるところもあります。
そして、対応するUSBのバージョンによってUSB 2.0用、USB 3.2用があります。
これらの仕様の組み合わせによるコネクタの種類は次のようになります。
コネクタ形状 | A / B / C | 対応する規格 | ||
USB 2.0 | USB 3.2 Gen 1 / Gen 2 | USB 3.2 Gen 2×2 | ||
Standard | A | 〇 | 〇 | ー |
B | 〇 | 〇 | ー | |
C | 〇 | 〇 | ||
Mini | A | 〇 | ー | ー |
B | 〇 | ー | ー | |
Micro | A | 〇 | ー | ー |
B | 〇 | 〇 | ー |
なお、Micro-B(USB 2.0用)とMicro-B(USB 3.2用)ではコネクタの形状が異なるため、同じMicro-Bでも使用する際は注意が必要です。
互換性
接続する機器とケーブルのコネクタさえ合えば、USB 2.0の機器とUSB 3.2の機器間でデータ転送は行うことができます。
これはUSB 2.0とUSB 3.2に互換性があるためです。
例えばUSB 3.2に対応したパソコンと、USB 2.0に対応した外付けHDDを接続した場合でもデータ転送は行えます。
ただし、データ転送速度は下位のUSBバージョンで動作するので、この場合はUSB 2.0(480Mbps)の速度でデータ転送が行われます。
まとめ
現在主流となっているUSBの規格とコネクタの種類について解説しました。
新しい機器をUSBで接続する場合には、それぞれの機器におけるUSB規格のバージョンやコネクタの種類を確認して接続するようにしましょう。