セキュリティソフトが入っていなくてもインターネットでWebサイトを見ることもできますし、メールのやり取りをすることもできます。
しかし “セキュリティ” のことを考えるとセキュリティソフトは入れたほうがいいのでしょうか?
この記事ではセキュリティソフトの必要性と、セキュリティソフトを入れない場合にどんなリスクがあるのかについて説明します。
またWindowsの場合は、標準で入っているWindows Defenderがあればセキュリティソフトは不要なのか?という疑問についても解説していきたいと思います。
セキュリティソフトの必要性
PCなどにセキュリティソフトを入れることは多くの人にとって強く推奨されます。
外部との通信は行わない、つまりはメールもネットもしない、内蔵されているゲームしかしない、などという限られた用途でしか使わないPCでなければ、セキュリティソフトは原則入れておいたほうが良いです。
では、なぜセキュリティソフトは必要なのでしょうか?
それはコンピューターウイルスへの感染を防ぐためです。
コンピューターウイルスとは悪意のあるソフトウェア(マルウェア)の一種とされており、PCなどがウイルスに感染すると大小さまざまな被害をユーザーにもたらします。
ネットを見る、メールをする、ファイルをダウンロードするなど、PCを利用するいろいろなシーンでウイルスは感染を試みようとします。
セキュリティソフトは常にPCを監視して、ウイルスを検知・ブロックすることでPCや中に保存されているデータを守ってくれるわけです。
ウイルスに感染した場合の被害
セキュリティソフトの必要性について説明しましたが、当然、セキュリティソフトを入れていない場合はウイルスに感染するリスクが大きくなってしまいます。
ウイルスに感染してしまうと具体的にはどのような被害にあってしまうのでしょうか。
ウイルスに感染した場合の代表的な被害には次のようなものがあります。
システムの破壊・動作異常
ウイルスによってシステムが破壊されたり、動作異常を起こすことがあります。
例えば、いつもと同じような使い方しかしていないのに、ある日突然PCの動きが遅くなってきたり、PCに保存されているデータが勝手に消去されたりすることがあります。
また、PCの画面上にメッセージが表示されたと思ったら、それ以降まったくPCが操作不能になったり、そもそも起動すらできなくなってしまうこともあります。
個人情報の漏洩
ウイルスによってPCに保存されているアドレス帳のデータや、写真や動画、IDやパスワードが盗まれる場合があります。
アドレス帳に登録されている知り合いの情報が悪用される可能性がありますし、他人に見られたくないプライベートな写真や動画がネット上に公開されてしまうかもしれません。
IDやパスワードが盗まれてしまうと、そのアカウントに登録されている情報も盗まれてしまうことになります。
例えばショッピングサイトのIDとパスワードが盗まれると、そのショッピングサイトのアカウントに登録しておいた氏名、住所、電話番号、クレジットカード情報なども盗まれることになり、漏洩による被害の拡大が容易に想定されます。
このように、個人情報が漏洩すると被害の範囲が拡大していくということを覚えておく必要があります。
金銭の要求
「ランサムウェア」と呼ばれるウイルスがあり、PCの中にあるデータを勝手に暗号化して開けなくしたり、PCの操作を不能にしたりして、それを解除する代わりに金銭を要求してきます。
いきなりデータやPCが使えなくなるのでやむを得ず金銭を支払ってしまう人もいますが、データやPCが元通りになる保証はなく、金銭だけが奪われて被害はそのままという事例も多いようです。
バックドアの作成
バックドアとは「裏口」という意味で、悪意を持った攻撃者にとっての侵入ルートを意味しています。
ウイルスによってバックドアが作成されることで、攻撃者がPCに侵入しやすくなる裏口を作られてしまうということです。
一度バックドアが作成されてしまうと、ユーザーに気付かれることなく何度もPCに侵入することが容易になり、個人情報が盗まれたり、悪意のあるプログラムが実行されるといった被害が発生してしまいます。
踏み台にされる
ウイルスに感染したPCを踏み台にして、さらに別のPCにネットワーク経由でウイルスをバラまいたり、ウイルス付きのメールを送信したりといったことに利用されます。
これは自分がウイルス感染の被害者であるにも関わらず、知らない間に加害者としてウイルスの感染拡大に加担してしまう恐れがあるということです。
「Windows Defender」があればセキュリティソフトは不要?
ウイルスに感染してしまうとどんな被害にあってしまうのかについて説明してきました。
ウイルスに感染してしまうとPCやデータだけにとどまらず、個人情報の漏洩や金銭の要求など、ユーザー自身への被害も大きくなってしまう可能性があることがわかるかと思います。
これらのリスクに備えるためにセキュリティソフトの必要性が大きくなってきます。
ただWindowsの場合は、ウイルス対策機能を含んだ「Windows Defender」が最初から入っています。
Windows Defenderが有効になっていれば他のセキュリティソフトを入れる必要はないのでしょうか?
結論としては、
PCの使い方によってはWindows DefenderだけでOKだが、ほとんどの人にとってはWindows Defenderだけでは不安が残る
といった感じです。
Windows Defenderのシステムを保護する性能としては悪いわけではありません。
ウイルス対策ソフトウェアを評価するオーストリアの第三者組織「AV-Comparatives」によると、マルウェアからシステムを保護する試験において、Windows Defenderは他のセキュリティソフトに劣らず高い評価を得ています。
しかしシステムを保護する機能としては、基本的なウイルス対策とファイアウォールがメインになっており、Windows Defenderのみで安心か?というと多くの人にとって安心とは言えなさそうです。
もしPCの用途として、名の知れている有名なサイトの閲覧や、YouTubeなどでの動画視聴のみ、ということであればWindows Defenderでもいいかもしれません。
有名なサイトやYouTubeなどに確実にアクセスしているのであれば、知らない間にウイルスが入ったファイルをダウンロードさせられるといったことはほぼ無いと考えていいでしょう。
ただ、これらの用途に収まらず、
- 多くのWebサイトを閲覧する
- インターネット上からファイルのダウンロードやインストールを行う
- メールを頻繁に使う
- ネットショッピングを行う
- ネットバンキングを使う など
ということであれば、やはり多方面からの脅威に対してシステムを保護してくれるセキュリティソフトが必要になってくると考えられます。
まとめ
セキュリティソフトの必要性と、セキュリティソフトを入れない場合にどんなリスクがあるのかについて説明しました。
セキュリティソフトの必要性
- セキュリティソフトを入れることは多くの人にとって強く推奨
- コンピューターウイルスへの感染を防いでくれる
ウイルスに感染した場合の被害
- システムの破壊・動作異常
- 個人情報の漏洩
- 金銭の要求
- バックドアの作成
- 踏み台にされる
「Windows Defender」があればセキュリティソフトは不要?
- PCの使い方によってはWindows DefenderだけでOK
- ほとんどの人にとってはWindows Defenderだけでは不安が残る
- 幅広くPCを使うならセキュリティソフトは必要
「あまりパソコンに詳しくない」という人は特に、長年販売されており実績も十分な定番品のセキュリティソフトを選んだほうが安心です。
PCでインターネットやメールなどをするのであれば、セキュリティリスクは避けられません。
セキュリティソフトを入れていないということは、ウイルス対策を行っていないということであり、いつウイルスに感染してもおかしくありません。
これは家にカギをかけていないのと同じような状況であり、「どこからでも侵入してください」と言っているようなものです。
セキュリティ対策を十分に行い、安心で安全なPC環境をつくってください。