「仕事をしたいけど子供の認可保育園が決まらないから仕事が探せない」
「子供を認可保育園に入れたいけど仕事が決まらないから保育園に入れられない」
このような負のスパイラルに入ってしまい抜けられずにいるのではありませんか?
待機児童が発生している地域においては、現在の認可保育園に入園するための制度上、必ずこの負のスパイラルが発生しています。
社会では「子育て支援を手厚く!」と言われていたり、「さらなる人材の活用を!」などと言われていますが、保育園にも預けられず就職もできずにいるという人がたくさんいます。
この記事では、就職活動と認可保育園への入園を両立させることがなぜ難しくなるのか?、この負のスパイラルに陥ってしまったときに取るべき対応策は何なのか?をお伝えしたいと思います。
「求職中」の状態で認可保育園に入れたものの仕事が決まらないという場合については「求職中で保育園に入ったけど仕事が決まらないときは?」をご覧ください。
求職中の保育園入園が難しくなる理由
妊娠を機に退職した人などは、出産や育児が一段落したころに「そろそろ子供を保育園に預けて仕事を始めようかな」と考え始めるかと思います。
そうなると無職の状況から就職活動を行うことになり、同時に子供を預けるための保育園を探す必要があります。
これらの活動は「就活」(就職活動)や「保活」(保育園を探す)などと呼ばれたりすることもあります。
現在の制度においては、求職中でも認可保育園への入園希望を申し込めば入園することは可能です。
ただし、すんなり入園できるのは “待機児童がいない場合” です。
“求職中” で “待機児童がいる場合” は極端に認可保育園への入園が難しくなります。
なぜなら認可保育園の入園を希望する場合は「保育の必要性」が問われるからです。
「保育の必要性」とは
「保育の必要性」とは何かというと、家で子供の面倒をみれないので保育園に預ける必要がある理由、例えば、仕事や病気、学校などのことを指します。
認可保育園の管轄は市区町村になるので、役所に入園希望を申し込む際に各家庭の「保育の必要性」を示す必要があります。
そして、この各家庭の「保育の必要性」を点数化して、保育園に入園させる子供(家庭)の優先順位が決まっていきます。
この優先順位が高ければ希望した保育園に入ることができますし、低ければあまり希望していない保育園に決まる、もしくは入園できる保育園すら決まらない、いわゆる待機児童になってしまうわけです。
仕事からみる「保育の必要性」
ここで “仕事” の観点で「保育の必要性」を考えてみましょう。
まず求職活動もしていない無職の場合、例えば専業主夫、または専業主婦などは、家で子供の面倒がみれるとみなされるので、「保育の必要性」はない、つまり認可保育園には入れられないということになります。
では、求職中の人と、すで就労している人を比べると、どちらがより「保育の必要性」があるとみなされるでしょうか?
それはすでに就労している人のほうが「保育の必要性」があるとみなされます。
当然、これから仕事を見つけて働こうとしている人より、すでに働いており子供の面倒がみれない人のほうが「保育の必要性」があると考えられているわけです。
どうにか子供をどこかに預けて、共働きですでに働いている家庭のほうが「保育の必要性」が認められやすいので、それに比べると求職中の場合は入園させるための優先順位が低くなってしまうのです。
これが “求職中” で “待機児童がいる場合” に認可保育園への入園が難しくなる理由です。
仕事を探そうとハローワークに行っても、まだ子供の預け先が決まっていないのでそう簡単に仕事は決まりません。
そして保育園に入れようと役所に入園希望の申し込みをしても、求職中では優先順位が低くく保育園も決まりません。
このように負のスパイラルに陥って抜け出せなくなるのです。

就職と保育園のどちらを先に決めるべきか?
求職中の保育園入園が難しくなる理由をお伝えしましたが、もうひとつ考えておくべきポイントがあります。
それは就職するタイミングと保育園入園のタイミングです。
どういうことかというと、就職と保育園が同じタイミングで決まれば何も問題はありませんが、こんな超ラッキーなことはほとんど起こることはありません。
そうなると、就職と保育園のどちらを先に決めるべきか?という問題になります。
就職を先に決めた場合
では就職を先に決めようとするとどうなるでしょうか?
なんとか条件の良さそうな求人を見つけてハローワークで申し込んで面接をすることになったとします。
面接ではあなたも企業側も好感触で、「では来週から来てください」となったらどうしますか?
結論としてはどうしようもありません。
なぜなら子供の預け先がまだないからです。
できることがあるとしたら、来週までに意地でも預け先を探すということですが、そんなに簡単に見つかるならここまで苦労はしていないと思います。
保育園を先に決めた場合
では、保育園が先に決まった場合はどうなるでしょうか?
この場合、保育園が就職よりも先に決まるということは、“求職中” のため「保育の必要性」が認められている状態ということになります。
この “求職中” という条件がついて保育園に入ると何が問題かというと、就職活動にタイムリミットが設定されるということです。
この就職活動の期限は多くの自治体で3ヶ月程度になっていますが、中には2ヶ月しかない自治体もあるのでお住いの自治体について確認してみてください。
“求職中” という条件がついて保育園に入り就職活動を行っていたものの、就職先が決まらず就職活動の期限を迎えてしまった場合は、入っていた保育園を退園しなければなりません。
これではまたふりだしに戻り、子供は数ヶ月間でできたお友達に別れを告げることになってしまいます。
こんな状況になったら親にとっても子供にとってもとても辛いと思います。
将来を見据えた対策が必要
このように就職と保育園のどちらかを先に決めたとしてもとても厳しい状況が待っていることに変わりはありません。
まずは就職と保育園のどちらかひとつでも決めないと!と考えてしまいがちですが、どちらか一方が先に決まっても上で書いたような状況になってしまいますので、先々のことを考えて対策を打っていくことが重要になります。
厳しい状況ではありますが、ひとつずつ決めていかなければ前には進めませんので、どのように決めるかを含めて今後の対応策を説明していきたいと思います。
就職と保育園入園を実現させるための対応策
就職と保育園入園の両方を実現させるためには、今後どのような対応策を考えていけばいいのでしょうか?
各家庭の状況はさまざまでありベストな対応策を提示することは難しいですが、ここでは一般的で、よりリスクが低く、より確実な対応策をお伝えしたいと思います。
まず、就職と保育園のどちらを先に決めるかという話にもなりますが、最初に保育園を決めてその後に仕事を決めるというのがより良いと考えます。
上でも書きましたが、先に仕事を決めても子供の預け先が決まっていない状況では、せっかく決まった仕事を断らないといけなくなります。
先に仕事を決めるというのは、かなりリスクが高い進め方になると考えられます。
では先に保育園を決めるということは、“求職中” という優先順位が低い状態で認可保育園が決まるのをひたすら待つのか?というとそうではありません。
最初に「認可外保育園」を狙います。
なぜ認可外保育園?と思うかもしれませんが、最終的に認可保育園へ入園させるために最初に認可外保育園を狙うのです。
なぜ「認可外保育園」を狙うのか
そもそも認可外保育園と聞くと認可保育園に比べて敬遠しがちですが、認可外だからダメということは決してありません。
認可保育園に比べると施設の広さを確保できないというだけで、基準を満たせず認可外になっているという保育園もあります。
そして、認可外保育園では入園の際に親の就労状況を条件にしていない保育園が多くあります。
今現在、あなたは負のスパイラルから抜け出せず身動きが取れない状況です。
ですので、親の就労状況が問われない認可外保育園に最初に入園させることで、まずは子供の預け先を確保するわけです。
「認可外保育園」に入園させるメリット
最初に認可外保育園に入園させるという流れを作ることで次のようなメリットが生まれてきます。
1|子供の預け先が確保される
上で書いた通り、親の就労状況が問われない認可外保育園を探して入園させます。
そうすることで子供の預け先が確保され、あなた自身の就職活動に対する身動きが取りやすくなります。
2 | 仕事が決まりやすくなる
あなた自身の就職活動の身動きが取りやすくなるのはもちろん、良い求人を見つけて面接を受け「では来週から来てください」と言われてもすぐにOKと回答することができます。
なぜなら、すでに子供の預け先が確保されているからです。
このように認可外保育園に入園させることで仕事が決まりやすくなるというメリットも生まれてきます。
3 | 認可保育園が決まりやすくなる
仕事が決まると次はどうなるでしょうか?
これまでのような “求職中” ではなく “就労中” として「保育の必要性」が認められることになります。
そうなれば当然、認可保育園に入園するための優先順位が高くなるので、認可保育園が決まりやすくなります。
4 | 認可外保育園に入っているとさらに優先順位が高くなる
すでに認可外保育園に入園している場合、認可保育園に入園するための優先順位が若干高くなります。
そこまで大きな加点にはなりませんが、同じような家庭環境、同じような親の就労状況の子供同士が選考で並んだ場合、すでに認可外保育園に通っており認可保育園が決まるのを待っている、という子供のほうが優先順位が高くなります。
この “最初に「認可外保育園」を狙う” というのが、よりリスクが低く、より確実な、就職と認可保育園の入園を実現させるための対応策です。
認可外保育園は認可保育園と比べると保育料が高くなる傾向がありますが、手厚い保育サービスを行っているなど、認可保育園にはない特色を持つ保育園もあります。
最終的なゴールは認可保育園ですが、そのための手段として一時的に認可外保育園へ入園させることはとても有効な対応策です。

就職先を探す準備も進めておこう
まずは、通いやすく、保育環境に納得できる認可外保育園を探して入園させるというのが最優先ですが、並行して就職先を探す準備もしておいたほうがいいです。
なぜなら、就職先を早く決めることで得られるメリットも大きいからです。
就職先を早く決めると次のようなメリットがあります。
認可保育園が早く決まりやすくなる
認可外保育園に子供を預けて仕事が決まれば、高い優先順位で認可保育園が決まるのを待つことができます。
“求職中” ではなく “就労中” として「保育の必要性」が認められるからです。
ですので、仕事が早く決まれば、最終的なゴールとしていた認可保育園も早く決まりやすくなります。
認可外保育園の高い保育料の支払いを最小限に抑えることができる
認可外保育園は認可保育園と比べると保育料が高くなる傾向がありますが、認可保育園が決まるまでは仕方のないことですので必要経費と考えておきましょう。
しかし、仕事が決まって認可保育園が決まれば、今まで入っていた認可外保育園から転園することができます。
仕事が早く決まれば決まるほど、認可保育園も早く決まりやすくなり、認可外保育園の高い保育料の支払いを最小限に抑えることができます。
仕事を早く決めたほうが経済的にもメリットは大きいわけです。
子育てしながらになると何かと忙しい状況ですが、就職先を早く決めることで得られるメリットがありますので、認可外保育園探しと並行して就職先を探す準備も進めておきましょう。
ちなみに子育てママが仕事を探すときは、パートよりも派遣で探したほうが良いです。
まとめ
求職中の認可保育園への入園がなぜ難しくなるのか?就職と保育園入園を実現させるためにはどのような対応策を取ればいいのか?についてお伝えしました。
求職中の保育園入園が難しくなる理由
- 「保育の必要性」が問われ、求職中の場合はすでに働いている家庭よりも優先順位が低くなってしまう
就職と保育園入園を実現させるための対応策
- 最初に「認可外保育園」を狙う
最初に認可外保育園に入園させるメリット
- 子供の預け先が確保される
- 仕事が決まりやすくなる
- 認可保育園が決まりやすくなる
- 認可外保育園に入っているとさらに優先順位が高くなる
ちょっとずつ負のスパイラルから抜け出すイメージができてきたでしょうか?
この社会の仕組みに理不尽さを感じることも多いかと思いますが、一歩ずつでも前に進んでいくしかありません。
まずは認可外保育園を探すところから始めてみましょう。